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ラブホテル・コレクション

村上 賢司

本体価格: 1619円+税


判型:A5 /並製
ページ数:144
初版年月日:2013/02/22
ISBN:978-4-7572-2200-7
ASIN:4-7572-2200-9

【本書「はじめに」より】

 1970年(昭和45年)生まれの私(村上)はご他聞に漏れずテレビっ子だった。ブラウン管の向こう側の世界に魅了され、そしていつもそれを夢想していた。子ども番組にも熱中したが、それと同じくらい好きだったのは大人たちが観るドラマや情報番組だった。『土曜ワイド劇場』『特捜最前線』『テレビ三面記事 ウィークエンダー』『金曜スペシャル』『11PM』などなど。当然、堂々と見るわけにはいかないから、こたつで居眠りしているフリをしながら、またはふすまを少しだけ開けて覗き見しながら脳裏に焼き付けていた。そして時々画面に登場する魅惑的な場所が気になり出してきた……。

 ラブホテル

 大人しか入れない、しかし遊園地ようなデザインの部屋の中で円形のベットがクルクル回る、かなり変で、でも面白そうな空間。「ボクも大きくなったらあそこに行けるのかな〜!」と画面に登場するたびにワクワクしていた。
 ラブホとの出合いはテレビだけではない。なぜかあの頃の河原にはエロ本がよく落ちていたもので、ガビガビになったページをめくるとクルクルと強めのパーマをかけたド派手メイクのヌードモデルさんもそんな面白そうなインテリアの中で悩ましいポーズをとっていた。不思議と下半身はあんまり反応しなかったが、想像力はビンビン刺激された。
 そして本当に大人になって、ラブホテルに堂々と入れるようになったとき、子どもの頃に見ていたそんな空間がなくなっていることに気がついた。正確にいえば、確かにラブホテルは存在していたが、遊園地のような、バカバカしくも面白い客室がなくなっていた。シンプルで機能的、女の子はまあ喜ぶけど、ドキドキもワクワクもしない、シティホテルとそう変わらないものばかりになっていた。悔しかった。ラブホ街を見つけると何軒もホテルの中に入って客室案内の写真をチェックしたが見つけられなかった。
 しかし、次第に面白いラブホテルが辛うじて存在していることがわかってきた。一番参考になったのは都築響一さんの『ラブホテル —Satellite of LOVE』(アスペクト)という本だった。2009年に、この本に掲載されている物件を中心に関東と関西にある貴重な客室だけを記録した『ラブホテル・コレクション 甘い記憶』というドキュメンタリー映画を発表した。そのDVDのオーディオコメンタリーには都築さんに参加していただき、これで自分のラブホテル熱も冷めるものと思っていたが、まったく変わらなかった。それどころか、まだ全国には魅惑的なインテリアを誇るラブホテルがあるはずだと信じて調査を続けた。
 今回の書籍化が決定してから、電話をかけてもけんもほろろに拒絶されたことも多々あったが、結局33件を取材することができた。すべて、自信を持ってご紹介できる極上のアート作品だと思っている。

 まずはページをめくって気になる客室を見つけてほしい。そして実際に現地に足を運んでほしい。そんな方が1人でも増えることが、私の最高の目的であり、最上の喜びです。
 人生にもっとワクワクとドキドキを!

目次

Table of contents

はじめに

第一章 東北
ナポレオン/亜想呼/バステル花/JOYBOX21

第二章 関東
ホテルブルージュ/GAIA/ホテル・ファミー/アルファイン/Hotel Paris/SK PLAZA/パピオン/ザ・ウェーブ/くちなし城 伊勢原店/迎賓館/愛愛賓館

第三章 中部・北陸
ホテルティファニー/アマン/CBCホテル/ホテルキング/ホテルクイーン/ホテルサンタモニカ

第四章 関西
ホテルマイアミ/天女山アイネ五條店/天女山アイネ香芝店/HOTEL Public Jam/ホテル富貴/ホテル千扇/ホテルリープハーバー

第五章 中国・九州
ビバフランセ&パリオ・イン/ホテルXO/ホテルSEPIA/ホテルCOCO/エレガンス

オーナーインタビュー

ホテルガイド

その他情報

Other Information

村上賢司(むらかみ けんじ)
映画監督・テレビディレクター
1970年生まれ。自主制作映画『夏に生れる』で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。ロッテルダム国際映画祭、東京国際映画祭で招待上映される。その後、映画作品として『細菌列島』『ゾンビデオ』などを監督。『怪奇大家族』(TX)、『ケータイ刑事』(BS-TBS)、『森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』(TX)、『NONFIX フィルムがなくなる! デジタルが変える映画のミライ!』(CX)などのテレビドラマ、ドキュメンタリーも多数演出。また、サブカル・ドキュメンタリー作品として『工場萌えな日々』『デコチャリ野郎』『伊勢エロスの館 元祖国際秘宝館』『性愛の里 北海道秘宝館』『ラブホテル・コレクション 甘い記憶』『ラブドール 抱きしめたい!』などを精力的に発表し続けている。ペーパードライバー。

昭和のポップセンスとバブルの熱狂を今に伝える、愛とエロスのアート建築遺産×33
足かけ5年の取材から生まれた全国ラブホテルのビジュアルガイド!