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JAPAN UNDERGROUND IV

内山 英明

本体価格: 6000円+税


判型:B4変 /上製
ページ数:160
初版年月日:2008/12/05
ISBN:978-4-7572-1600-6
ASIN:4-7572-1600-9

「地下ブーム」の火付け役となり、各界に熱狂的な支持を受けた「JAPAN UNDERGROUND」刊行から8年、そして第25回土門拳賞・2006年日本写真協会賞年度賞をダブル受賞した「JAPAN UNDERGROUNDIII」から3年、内山英明は16年間の長きにわたり地下世界を撮りつづけてきた。“アンダーグラウンド”シリーズ第4作となる本書「IV」は、最近人気の高い“中空重力式ダム”の高根第2ダム、穴内川ダムや、新渋谷駅、つくばエクスプレス、地下高速道路の西新宿ジャンクションなど進化し続けるTOKYOの交通施設、また閉鎖生態系宇宙装置、種子島宇宙センターほか超先端科学施設などを多数収録し、幻想的な“日本の地下世界”の魅力を余すところなく紹介する1冊である。

目次

Table of contents

1ページ〜
神流川発電所(群馬県・多野郡)2007
錦川鉄道(山口県・岩国市)2008
戸山シ—ルド下水トンネル(東京都・新宿区)2008
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎県・長崎市)2005
神流川発電所(群馬県・多野郡)2007
THEATER360(東京都・ページ〜東区)2006
首都圏外郭放水路(埼玉県・春日部市)2005

10ページ〜
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2007
THEATER360(東京都・ページ〜東区)2007
種子島宇宙センター(鹿児島県・熊毛郡)2005
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2008
横浜市営地下鉄グリーンライン(神奈川県・横浜市)2005
両国ポンプ所(東京都・墨田区)2007
つくばエクスプレス・秋葉原駅(東京都・千代田区)2005
桜田門立坑(東京都・千代田区)2005
戸山シールド下水トンネル(東京都・新宿区)2008
首都圏外郭放水路(埼玉県・春日部市)2005

20ページ〜
核融合科学研究所(岐阜県・土岐市)2005
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007
旧万世橋駅(東京都・千代田区)2005
中之島線(大阪府・中央区)2007
首都圏外郭放水路(埼玉県・春日部市)2005
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2008
東中野換気所【山手トンネル】(東京都・東中野)2008
桜田門立坑(東京都・千代田区)2005
中野換気所【山手トンネル】(東京都・中野区)2008
代々木シールドトンネル【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2006

30ページ〜
戸山シールド下水トンネル(東京都・新宿区)2008
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2008
穴内川ダム(高知県・香美郡)2006
品川東口南地区地域冷暖房施設(東京都・港区)2008
青山〜渋谷共同溝(東京都・港区)2005
高根第2ダム(岐阜県・大野郡)2005
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎県・長崎市)2005
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007

40ページ〜
両国ポンプ所(東京都・墨田区)2006
桜島有村観測坑(鹿児島県・桜島)2007
渋谷区立松涛美術館(東京都・渋谷区)2005
渋谷区立松涛美術館(東京都・渋谷区)2005
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2008
西新宿ジャンクション【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2006
品川東口南地区地域冷暖房施設(東京都・港区)2008
神流川発電所(群馬県・多野郡)2007
神流川発電所(群馬県・多野郡)2007
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2007

50ページ〜
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎県・長崎市)2005
人道トンネル(山口県・下関市〜福岡県・北九州市)2005
穴内川ダム(高知県・香美市)2006
閉鎖生態系宇宙装置(東京都・調布市)2007
錦川鉄道(山口県・岩国市)2008
首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)2005
核融合科学研究所(岐阜県・土岐市)2005
虎ノ門発進立坑(東京都・港区)2005
日比谷共同溝(東京都・港区)2005
THEATER360(東京都・ページ〜東区)2006

60ページ〜
THEATER360(東京都・ページ〜東区)2007
龍泉洞(岩手県・下閉伊郡)2006
神流川発電所(群馬県・多野郡)2007
品川東口南地区地域冷暖房施設(東京都・港区)2008
中之島線(大阪府・中央区)2007
砂町水再生センター(東京都・江東区)2007
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006
首都圏外郭放水路(埼玉県・春日部市)2005
横浜市営地下鉄グリーンライン(神奈川県・横浜市)2005

70ページ〜
中之島線(大阪府・中央区)2007
龍泉洞(岩手県・下閉伊郡)2006
神山町換気所【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2006
桜島有村観測坑(鹿児島県・桜島)2007
関越トンネル(群馬県・利根郡〜新潟県・魚沼郡)2005
渋谷区立松涛美術館(東京都・渋谷区)2005
西新宿ジャンクション【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2008

80ページ〜
品川東口南地区地域冷暖房施設(東京都・港区)2008
東中野シールドトンネル【山手トンネル】(東京都・中野区)2008
西新宿ジャンクション【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2006
核融合科学研究所(岐阜県・土岐市)2005
つくばエクスプレス・秋葉原駅(東京都・千代田区)2005
森ヶ崎水再生センター(東京都・大田区)2007
松見坂立坑【山手トンネル】(東京都・目黒区)2006
高根第2ダム(岐阜県・大野郡)2005
東中野換気所【山手トンネル】(東京都・中野区)2008
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007

90ページ〜
日比谷共同溝(東京都・千代田区)2005
東中野換気所【山手トンネル】(東京都・中野区)2008
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2007
西新宿ジャンクション【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2008
代々木シールドトンネル【山手トンネル】(東京都・渋谷区)2006
松見坂立坑【山手トンネル】(東京都・目黒区)2006
大橋立坑【山手トンネル】(東京都・目黒区)2007
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2008

100ページ〜
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006
砂町水再生センター(東京都・江東区)2007
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006
穴内川発電所(高知県・香美郡)2006
南ページ〜幹線(東京都・杉並区)2007
戸山シールド下水トンネル(東京都・新宿区)2008
新・渋谷駅(東京都・渋谷区)2007
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006
南ページ〜幹線(東京都・杉並区)2007
浅草橋幹線(東京都・ページ〜東区)2007

110ページ〜
首里城第32軍司令部壕(沖縄県・那覇市)2005
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007
旧万世橋駅(東京都・千代田区)2005
旧万世橋(東京都・千代田区)2005
南ページ〜幹線(東京都・杉並区)2008
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007
南ページ〜幹線(東京都・杉並区)2007
大森川ダム(高知県・吾川郡)2006

120ページ〜
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007
森ヶ崎水再生センター(東京都・大田区)2007
横山ダム(岐阜県・揖斐郡)2007
八潮共同溝(東京都・品川区)2005
中之島線(大阪府・中央区)2007
穴内川ダム(高知県・香美郡)2006
豊砲ページ〜(長崎県・上県郡)2005
和田弥生幹線(東京都・杉並区)2006
プラスチック減容物体(東京都・港区)2005

130ページ〜
高根第2ダム(岐阜県・大野郡)2005
友が島砲ページ〜跡(和歌山県・和歌山市)2006
大日影トンネル(山梨県・甲州市)2008
大日影トンネル(山梨県・甲州市)2008
友が島砲ページ〜跡(和歌山県・和歌山市)2006
佐渡選鉱場跡(新潟県・佐渡市)2006
南ページ〜幹線(東京都・杉並区)2008
赤山地下要塞(千葉県・館山市)2005
旧万世橋駅(東京都・千代田区)2005
旧万世橋駅(東京都・千代田区)2005

140ページ〜
穴内川ダム(高知県・香美郡)2006
豊砲ページ〜(長崎県・上県郡)2005
井倉洞(岡山県・新見市)2006
赤山地下要塞(千葉県・館山市)2005
佐渡金山(新潟県・佐渡市)2006
穴内川ダム(高知県・香美郡)2006

その他情報

Other Information

【著者プロフィール】

 内山英明(うちやま・ひであき)/写真家 

1949年 静岡県菊川町生まれ。東京総合写真専門学校中退。1976年から85年にかけ、放浪芸人に惹かれて、全国の旅役者や傀儡(くぐつ)師を撮り続ける。1981年「アサヒグラフ」誌上で初めての連載を開始。作家、音楽家などさまざまな30代アーティストの撮影を3年間手がける。同時にこの年から雑誌でドキュメント写真の発表を開始する。1985年《迷宮都市》に惹かれ東京、アジアや欧州を中心に撮影を始める。以後、長期に渡り都市のシュールリアリズム的世界を撮り続ける。1992年エイズが猛威をふるった年、HIVに冒され、日本で最初にカミングアウトした平田豊の支援活動と撮影を2年間、仲間たちと続ける。1993年よりTOKYOの未来空間をライフワークとして取り組み始める。撮影中、偶然に潜った東京の地下世界に強く惹かれ、今日まで日本の都市と地下世界を撮り続ける。

 著書に「等身大の青春−俵万智」(深夜叢書1989年)、「都市は浮遊する」(講談社1993年)、「いつか晴れた海で〜エイズと平田豊の道程」(読売新聞社1994年)、 「JAPAN UNDERGROUND」(2000年・以下すべてアスペクト刊)、「JAPAN UNDERGROUNDII」(2003年)、「東京デーモン」(2005年)「JAPAN UNDERGROUNDIII」(2006年)「東京エデン」(2007年)などがある。2000年度第25回伊奈信男賞 2006年度日本写真協会賞年度賞および第25回土門拳賞受賞。

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地下世界の感受性


 一枚一枚の写真がどんなに優れたものであっても、それは単なる断片にすぎない。でも各々(おのおの)の断片が関連し合い、呼応しながら一つの世界を作るなら、そこにはかつて見たこともない、壮大なリアリティを持った世界が立ち現れるだろう。そんな思いに駆られながら私は長い間撮影を続けてきた。私にとっては何を撮るかというデーマよりも、何をどのように表現するかといった方法論のほうが重要な問題であった。

 私が地下に潜り始めて16年、その間に地下施設は私たちの足下に凄まじい勢いで増殖し、多様な世界を形成してきた。その一見SF的で魔界的な空間は、人間が人間のために築いてきた施設であり、剥(む)きだしの欲望が澱(おり)のように溜った、巨大なる巣窟でもあった。地上の無個性で薄っぺらな情報社会とは違う、生々しい個性に満ちた実体をもった貌(かお)がそこにはあった。

 3年前に刊行された第3作は、地下施設の中でも現代社会を根底で支えるセンセーショナルな施設をあえて捜した。しかし取材許可さえ順調に進まず、撮影も過酷を極めた。その撮影も何とか終わり、久しぶりに潜った私を出迎えてくれたのは、さえざえと広がる気流のような闇だった。冷んやりとして凛(りん)とした“気”に充ちた闇。その闇こそ、地下に潜り始めた当初から常に私の影となり、ときに私を呑みこみながら未知の世界へ導いてくれた、かけがえのない同伴者であった。私はそのことを改めて痛切に体の中に感じた。

 この第4作では、そのカリスマ性をもった地下世界の宇宙的な広がりを今まで以上に意識しながら、最新の科学施設やバーチャルな大空間、数々の巨大インフラ施設、幻の地下駅から大要塞など多くの地下施設を巡った。時空さえも蕩(とろ)けるような世界の中で頭だけは常に冴え渡っていた。体感する世界がリアルであればあるほど妄想は幻覚を呼び込み、とめどなく膨らんでいく。ときおり眩暈(めまい)のように襲ってくる法悦感を伴った不思議な知覚は、私の精神に一種の狂乱を引き起こした。そんな意識の狂乱さえ密(ひそ)かに楽しむ余裕を私はやっと持てるようになった。それもすべて地下世界が呼び起こした力業(ちからわざ)であった。

 見るものすべてに注がれる鋭敏な眼差し、そこから溢れ出る強(したた)かでしなやかな感性、地下では強靭な個性だけが世界を貫く力を持っている。16年間、数多(あまた)の地下世界を巡ってきて思うのは“地下の感受性”とも言うべき、地下が人々に与える強烈な喚起力だ。私たちはその力を今失っている。それを呼び戻す作業は大事なことだ。それは突然襲ってくる啓示に充ちた宗教的感覚とどこかで深く繋がっている。

 本書の製作に於いては、これまで通りアスペクトの宮崎洋一氏をはじめ、同編集部の北尾めぐみ氏、デザイナーの守先正氏、英訳のデビット・ラッセル氏、プリンティングディレクターの高柳昇氏。他では雑誌『プレジデント』の桂木栄一氏、それに多くの現場の方々にお世話になった。改めてこの場を借り感謝するしだいです。


2008年10月1日  内山英明

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