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残酷な子供 グロテスクな大人

春日 武彦

本体価格: 1800円+税


判型:四六 /上製
ページ数:286
初版年月日:2006/11/07
ISBN:4-7572-1317-4
ASIN:4757213174

 子供を殺す大人、大人を殺す子供。その、信じがたい「幼稚さ」と「狡猾さ」は、どこからやってくるのか?イノセントとナルシズムの危うい現実を精神科医の目で読み解く!

 子供は純粋で、大人は成熟していくものだと思いたい。しかし、それを許さない現実があるとき、我々は、自らのグロテスクさと向き合わなければならない。

目次

Table of contents

序章●
A氏のミニカー
埋め込まれたもの

第一章●子供の心を理解するということ
子供がわからない
大人を殺す子供、子供を殺す大人
心の実況中継

第二章●イノセントとはなにか
義足泥棒
イノセントが析出するとき
澄んだ目の持ち主
少年的ということ
七色のマーカーを手にした者たち
人生とヨツアナカシパン
イノセントの系統樹

第三章●残酷さとは何か
クルミ割り人形
薔薇色の顎
取り返しがつかない
いかがわしい心
無表情な世界
残酷博覧会

第四章●残酷な子供、キッチュな子供
モンシロチョウとポリュペモス蛾
子犬を失う
人を殺す子供1
人を殺す子供2

その他情報

Other Information

【著者プロフィール】春日武彦 かすがたけひこ  1951年、京都生まれ、日本医科大学卒。医学博士。
 産婦人科医を六年勤めたのち、障害児を生んだ母親のフォローを契機に精神科医へ転ずる。
 嫌いなものは、ゴルフとカラオケと歩道を走ってくる自転車、海老と蟹と昆虫、なれなれしい人間と宴会と電話。
 好きなことは、独りで商店街を散歩することと、妻と商店街を散歩すること。

 著書に、『ロマンティックな狂気は存在するか』(新潮社OH!文庫)、『顔面考』(紀伊國屋書店)、『不幸になりたがる人たち』(文春新書)、『援助者必携・はじめての精神科』(医学書院)、『幸福論』(講談社新書)、『健全な肉体に狂気は宿る』(春日武彦・内田樹、角川書店)、『僕たちは池を食べた』(河出書房新社)他。

 毎日、ため息の出てくる、いやな事件ばかりがニュースを賑わしています。たいした理由もなく、こんなにお手軽に人を殺したり、傷つけてしまう事件が起きるようになったのは、いつの頃からでしょう。残虐なわりには、どこか幼稚で、驚くほど自己中心的な犯罪者たちは、「子供のまま大人になってしまった」かのような不気味さを感じさせます。本書は、誰でもが抱えている自分の中の「子供」と、それを飼いならせずに歪んでしまった「グロテスクな大人」をテーマにしています。それ故に、「人間はどこまでグロテスクになれるのか?」「ほんとうの残酷さとはなにか?」を探求しつつも、「子供の純真さやイノセンスとはなにか?」といった、ナイーブな問題にも深く切り込んでいきます。なにしろ、「わたしが『子供のまま大人になった人たち』の一人であることは間違いないだろう。子供の持っている大人もどきの嫌らしさと、大人に対する根強い不信感をいまだに保持している点において、わたしはグロテスクな大人であり、子供のまま大人になった者に他ならない。」(あとがきより)という自己認識を持つ著者のことですので、少しばかり毒がきついかもしれません。くれぐれも、ご注意を!