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バブルの肖像

都築 響一

本体価格: 1500円+税


判型:A5変形
ページ数:160
初版年月日:2006/08/23
ISBN:4-7572-1286-0
ASIN:4757212860

【書評掲載】『バブルの肖像』都築響一著が現在好評中『ダ・ヴィンチ(2007年1月号)』「本読みのプロが選ぶ今年の3冊」のコーナーにて一志治夫氏の3冊に選ばれました。書影入りで書評が掲載されております。

日本中が夢におぼれ、欲に踊った遠い日々を振り返る、初のグラフィックストーリー。

本書はバブル・グレイティスト・ヒッツ御一行様の同窓会である。

 ジュリアナ東京、ボジョレ・ヌーボー、ティファニーのオープンハート、アッシー、メッシー、ミツグ君
 ゴルフ会員権、地上げ、NTT株、1億円ふるさと創生交付金、タクシー券、財テク、チバリーヒルズ
 青田買い就職、ボディコン、ワンレン・ソバージュ、私をスキーに連れてって、社用車はフェラーリ、自家用ボーイング
 湾岸ウォーターフロント、空間プロデューサー、ミス・ミナコ・サイトウ、アッパー・ロウアー、マル(金)マル(ビ)
 企業メセナ、タイユバン・ロブション、宮崎シーガイヤ、ゴッホの「ひまわり」、歌う不動産王、
 CIブーム、E電、10万円金貨、ギーガー・バー、財界二世学院、ハウステンボス、テーマパーク
 ホンダNSX、地方博ブーム、エンパイアステートビル&ロックフェラーセンター買収・・・

うれし恥ずかしバブルの日々・・・・・・2004年10月から1年間『週刊朝日』誌上で連載された「バブルの肖像」の書籍化。

目次

Table of contents

はじめに

 ゴールドタワー  義満には金閣が、秀吉には黄金茶室が、そして瀬戸内には金色塔と黄金便器が残った

 料亭「恵川」  兆のゼニを転がした、ナニワのオバハンの夢の跡

 オートポリス  オラが村の国際サーキットにエンジン音が帰ってきた日

 ジュリアナ東京  踊る阿呆に見る阿呆 パンツに散った狂乱の宴

 ピンドンコン  泡にストロー突きさせば、苦くてまずいゼニの味

 金塊  1億円の金塊と1345人のバスガイドさん

 ボジョレ・ヌーボー  「世界一早く飲める国」を走ったワインバー列車

 チバリーヒルズ  カリフォルニアでもなく、六本木でも表参道ですらなく……

 タクシー待ち  空車あれども乗せてはもらえず……銀座花金タクシー事情

 ティファニーのオープンハート  オープンハートでこころもからだもひらいてもらった夜

 クリスマスイヴのシティホテル  聖夜のホテル予約に燃えた真夏の思い出

 クリスマス・ディナー  お仕着せ衣装でお仕着せディナー、イヴの宴の窮屈づくし

 ゴルフ会員権  世界一高かった紙きれの栄光と没落

 メイテック  「おたくの会社に入ってやるよ」だった、バブル時代の楽勝就職戦線

 高橋治則氏(イ・アイ・イ-インターナショナル社長) 空飛ぶバブル紳士と2機の自家用ジェット

 F1スポンサー  “地上最速”に酔いしれ、最速で消えた4人の物語

 バニング  「走るスナック」バニングはクルマ文化のあだ花だったのか

 NTT株  日本中が財テクに酔っぱらった87年の春景色

 YOSHIWARA  湾岸のニセモノ京都で舞妓ちゃんと遊んだ夜

 空間プロデューサー  倉庫街を変身させた欲望の錬金術師

 くまもとアートポリス  芸術首都を目指した肥後っ子たちが得たもの

 タイユバン・ロブション  星が3ツと3ツで恵比寿6ツ星レストラン

 京都・北山通り  1200年の古都に咲き乱れた毒花図鑑

 ホテル川久  「世界数寄屋」を目指した温泉町の夢の跡

 携帯電話  50万円の“靴箱サイズ”携帯電話が成功者の証だったころ

 宮崎シーガイア  赤字の大波に飲み込まれた世界最大のオーシャンドーム

 絵画投資  日本が買い占めた、あの名画はいまどこに……

 千昌夫  “歌う不動産王”の瞬間ミリオネア人生劇場

 E電  ホームの片隅に見つけたプチ整形の哀しい傷跡

 10万円金貨  投資家より偽造屋を意気込ませた“ミスター円”の錬金術

 ギーガー・バー  営利はなかったエイリアンの父の東京店

 財界二世学院  豪華な講師に教えを受けた華麗な二世はいまいずこ……

 アズディン・アライヤ  女性美の極北を教えてくれた元祖ボディコン・デザイナー

 ザウス  真夏だって“私をスキーに連れてって”くれた世界一の屋内スキー場

 ハウステンボス  女王陛下にあやかった千年都市の夢のあと

 柏崎トルコ文化村  超ワンマン頭取とともに消えた「日本の外国」

 ホンダNSX  バブルを駆け抜けた国産スーパーカー

 名古屋デザイン博  <愛・地球博>の16年前に開かれた250億円の予行演習

 郵便貯金  郵便局もちゃんと利息をくれた、夢の高金利時代

 斎藤澪奈子  短くも激しく燃えた、アッパー美女の“ディグニティー”

 横井秀樹と中原キイ子  稀代の「乗っ取り屋」と娘がくりひろげたカネと欲の茶番劇

あとがき

その他情報

Other Information

■著者紹介 都築響一(つづききょういち)編集者。1956年東京都出身。上智大学卒。
 学生時代から雑誌『ポパイ』『ブルータス』などで現代美術、建築、デザイン、都市生活などの記事を主に担当。89年から92年にかけ、全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』(京都書院)を刊行。芝浦GOLD、恵比寿MILKなどの店舗の空間コンセプト、デザインを手がけるかたわら、美術・デザイン分野で編集・執筆活動を続ける。93年、東京の庶民の100の部屋を写真集にまとめ、インテリア本『TOKYO STYLE』(京都書院)として出版。96年12月には、『週刊SPA!』誌上に連載された「珍日本紀行」を単行本化し『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』をアスペクトより刊行。同書で第23回木村伊兵衛賞受賞。

 他の著作に、『ストリート・デザイン・ファイル全20巻』、『精子宮 鳥羽国際秘宝館・SF未来館のすべて』、大竹伸朗との共著『ローカル』(以上アスペクト)、『賃貸宇宙』、『珍世界紀行 ヨーロッパ編』(以上筑摩書房)、村上春樹、吉本由美との共著『東京するめクラブ 地球のはぐれ方 』(文藝春秋)など多数。

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天皇が崩御して年号が昭和から平成に変わった1989年。12月29日金曜日の午前11時に大納会を向かえた東京株式市場で、日経平均株価の終値は3万8915円87銭を記録した。東証第一部と第二部を合計した時価総額は611兆円に達し、11月末の時点で約422兆円だったニューヨーク市場を大きく引き離す。東京が世界一の株式市場になったのだ……。

 どの世代にも「ほかのやつらにはわからない」共有体験(幻想?)がある。70、80歳の老人が戦争話を語り出したら、若いもんは口を挟めない。50代のオヤジにとっては、それが学生運動だったりする。

 いま30代後半から40代の人間には、バブルという時代があった。日本全国がバブルに狂乱したのは86年秋から89年暮れまでの3年間あまりしかなかったのだが、しかしあの時代はすごかった。景気はブイブイ、日本人が世界中を買い占める勢いで、毎晩経費で散財、タクシー券を切りまくり、株で財テク、就職はよりどりみどり……バブルを知らない20代の若者にとっては、「それ、どこの国のことですか?」みたいな、信じられない時代にみんなが踊っていたのだった。

 いまバブルはすっかり悪者あつかいだ。景気が悪いのも、会社の業績が上がらないのも、貯金が足りないのも、ぜんぶバブルのせい。

 でもね、あのころ踊りまくってて、いまでも「ほんとはおもしろかった」と心の中で思ってる人、けっこういませんか。なんでも買えて、どこでも行けて、毎晩遊べて。いまじゃお金があっても、あんなふうには使わないだろうけど。

 もしかしたらバブルって、働きバチの日本人に神様がプレゼントしてくれた、3年間の「発情無礼講タイム」だったのかもしれない。

 長く厳しい不況にあえいできた現在から振り返ると、あのバブルの日々は遠い日の花火のように思える。 もう二度とこないであろうあの日々。それは思い返せばかならずしも不愉快な日々では、冷汗にまみれた悪夢ではなかったのかもしれない。だれもが夢におぼれ、欲に踊ったあの懐かしくも遠い日々を、奇想天外な冒険としてふりかえる、本書はうれし恥ずかしのグラフィック・ヒストリーである。