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表参道のヤッコさん

高橋 靖子葛西 薫 装丁 引地 摩里子 装丁

本体価格: 1400円+税


判型:四六 /並製
ページ数:276
初版年月日:2006/03/02
ISBN:4-7572-1229-1
ASIN:4757212291

【各紙誌書評絶賛】日本スタイリスト界の先駆者として、40年にわたり広告・CM業界の第一線で活躍している、高橋靖子さん(愛称:ヤッコさん) の自伝風エッセイ。

 フラワーレボリューション、ロンドンポップ、グラム・ロック……、1960〜70年代のカルチャーシーンのど真ん中を駆け抜けた一人の女の子のスリリングな冒険の物語。未来への希望に満ちあふれていた、日本の青春時代を豊富な写真とともに綴った貴重な時代の証言。

 掲載写真128点。また、巻頭に1960〜70年代の原宿・表参道・青山のイラストマップを収録。忌野清志郎さん、田口ランディさんを特別ゲストに迎えての対談も収録しています。

目次

Table of contents

まえがき

第1章 気がついたら、スタイリスト
 イエイエのCM
 はじめてのロケ
 スタジオ・ヒロキ
 「君の名は」(松竹撮影所)
 アシスタント物語  00
 六本木スタジオのブリリアントなアシスタント
 ヤシカエレクトロ35
 70年代の100人
 恋するラジオ
 DJしてた
 「アンアン」の時代
 It's a small world !

第2章 はじまりは表参道 セントラルアパート
 私には、何かがある
 表参道の週末パーティ
 クレドールとレオン
 アドセンター
 モジモジした社交性
 セントラルアパートの屋上で
 都会の真ん中で
 できない私にできること
 海辺のバイオリン
 夢
 セントラルアパートから、お引越し
 銀座のロックパレード

第3章 表参道青春グラフィティー
 静雲アパート
 国際的食生活
 原宿騎士団
 キングコング!
 アリスのレストラン
 表参道の午後
 同潤会アパート
 イエロー・イーグルの夢

第4章 忘れられないクリエイターたち
 伊丹十三さんのこと
 ユージン・スミスさんがやってきた!
 ユージン・スミスさんの落書き
 コマーシャルの中の寺山修司
 寺山修司する?
 キャロル
 フラワー・トラベリング・バンド
○清志郎さんを追っかけて 2005

第5章 スウィンギング表参道 〜ファッションの新しい波
 日本で最初のブティック
 原宿駅前のヨーガンレール
 セントラルアパートは成長する
 背伸びして、投資した
 ブティックがいっぱい
 新しい波
 アトリエケイトの毛糸たち
 マリーズ・ショップ
 文化屋雑貨店
 若き日の鳥居ユキさんと
 山口小夜子さん

第6章 スタイリスト修行 in New York
 はじめての海外、ニューヨーク
 「見る」ではなく「観る」が大事
 ファー・コートのご機嫌はいかが?
 ウッドストックの余韻
 第一回アースデイ
 ビューティフル・ピープルの翳り(69-70)

第7章 はじめてのロンドンで大冒険!
 ミスター・チャオ
 ミスター・モリタ!
 KANSAI IN LONDON
 センス・オブ・ユーモア
 3分間のゆで玉子。
 ロンドンポップ
 ポートベロー・ロードのフリーマーケット

第8章 グラム・ロック旋風の真ん中で
 チリタの宝石
 BORN TO BOOGIE
 T・レックス展
 素顔のT・レックス
 レインボウ・シアター
 ラジオ・シティの夜
 海から来たスター
 ヒーローズ
 YMOとエレファントマン
<対談>なつかしい未来、70年代 with 田口ランディ

第9章 地球を駆けめぐっていた
 オイルショック!
 オイルショックが終わって
 イースト・ハンプトンの休日
 アイランド㈰ ハワイロケ
 アイランド㈪ 家族のハワイ
 ふるさとパラオ
 グアム、サイパン
 宝島
 マルイ地球をまわる
 インディアン、ウソ、ツカナイ
 お天気力
 カッコーの巣の上で
 ビックリハウス
 ベルサイユのばら
 ピンク・レディー

エピローグ キャット・スティーブンスを聴きながら

あとがき


装丁・ブックデザイン 葛西 薫+引地摩里子(サン・アド)

その他情報

Other Information

●著者プロフィール 高橋靖子(たかはし やすこ)
 1941年茨城県生まれ。日本スタイリスト界の草分け的存在。早稲田大学を卒業後、表参道の広告制作会社を経て、1960年代の半ばからフリーランスのスタイリストに。1971年、単身ロンドンに渡り、山本寛斎氏のファッションショーを成功させる。その後、ジギー・スターダスト期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。また、写真家、鋤田正義氏とデヴィッド・ボウイ、T・レックスのフォトセッションをサポートしたことでも知られる。現在も、広告、CMの第一線で活躍中。

 エッセイ『家族の回転扉』(『小さな小さなあなたを産んで』読売新聞社所収)で第19回読売「ヒューマン・ドキュメンタリー」大賞を受賞。Webマガジン『HotWired Japan』のブログ(http://blog.goo.ne.jp/hwj-takahashi/)や『まいまいクラブ』(https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/)での連載エッセイ『小さな食卓』が好評を博している。2006年4月より1年間、文化女子大の講師(年間30回授業)。

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 未来のために、もう一度20代を生きる。

 20代の中頃、コピーライターもどきだった私がスタイリストになったとき、「もう書かなくてもいい」という解放感でいっぱいでした。
その私が、40年経った今、こうして書きたくなった、ということが不思議です。

 この本の随所に出てくる写真のなかで、屈託なく笑っている私は、一方では「このことができたら、死んでもいい」くらいの気持ちで新しい出来事にぶつかっていました。

 表参道での青春を満喫しながらも、「私には何ができるのだろう」と不安に震えていました。

 私はその気持ちを、今を生きる20代の人たちと共有しようと思ったり、同世代の仲間と、もう一度生きてみたいと思ったりしました。
そして、この1年この本をつくる作業の中で見つけたのは、ほかでもない未来の私自身のため、だということでした。

 この本を手にしてくださって、ありがとう。しばらく20代の私と生きてみてください。(高橋靖子)

「ボウイとイギーが一緒にライヴをしていた年に生まれた僕の幾分かは、ヤッコさんのおかげで出来ている」。  伊賀大介さん(スタイリスト)

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「表参道って、たぶん、いまの何かの先祖なんだと思う。高橋靖子さんは、それを生んだ人のひとりだ」。糸井重里さん(コピーライター)

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「いちばんクリエイティブだった頃の原宿・表参道を語るのに、これ以上ふさわしい人はいないよね」。 坂本龍一さん
P.S. 平凡ですけど......。

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「この本はファッションの聖地、原宿の聖母ヤッコさんが歩んだロックな出会いの経典です」。  山口小夜子さん(ウエアリスト)


・・・・・・・<ヤッコさんの歴代アシスタントの方々からもコメントをいただきました>・・・・・・

中村のんさん・スタイリスト(70年代、ヤッコさんのアシスタント)

 写真を見たとたん、なつかしい思い出が熱く込み上げてきました。少女だった私がキラキラした思いで見上げていたヤッコさんと、そのまわりの世界があっちにも、こっちにも……35年前にワープしたような不思議な気持ちになりました。ヤッコさんは貴重な時代の貴重な目撃者です!

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メッツメさん・主婦(70年代、ヤッコさんのアシスタント)

 写真がいっぱいあって、イヤーなつかしい! 初めて行ったレオンでは、浅井慎平さんがカーキ色のトレンチコートにサングラスで隣に座っていてビックリ! また静雲アパートでは、松山猛さん手土産のシャブリとカマンベールチーズを初体験。何もかも新鮮で、ヤッコさんと働いた数年は、あっという間に過ぎ去りました。70年代は素敵な時代でした。

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浜仲(テラト)愁子さん・スタイリスト(80年代、ヤッコさんのアシスタント)

 青く、若く、美しいヤッコさんが、とても、とても輝いていました! 熱くキラキラした時代、70年代の体温がすべてのページにこめられています。誰も生まれてくる時代は選べないけれど、好奇心いっぱいで全力で進んでゆく先には、素敵な感動がきっとある!と信じさせてくれる本でした。

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木下志津子さん・スタイリスト(2000年代、ヤッコさんのアシスタント)

 さまざまな時や場所を、さまざまな人やカルチャーと出会いながら、一気に駆け抜けたような気分にしてくれる本です。読後、あれもしたい、これもしたい、あそこに行きたい、あれを観たい……という気持ちが湧き上がりました。常にアンテナをはって、いち早く面白いものをキャッチしていく、そんなヤッコさんの姿勢はとても刺激的です。本当にたくさんの人に読んでもらいたい、勧めたい本です。

 茨城県出身の高橋さんは、都会での生活にあこがれて、早稲田大学政治経済学部に進学。卒業後に銀座の大手広告代理店に就職したものの、ふとしたはずみで原宿セントラルアパートのデザイン制作会社に転職。はじめはコピーライターになるつもりだったのに、撮影用の衣装や小物を手配しているうちに、そちらが本業になり、いつのまにかフリーランスのスタイリストになりました。1960年代の半ば頃のことです。

 黎明期の広告・CM業界は目の回るような忙しい日々。波のように押し寄せるさまざまな仕事を次々とこなす一方、伊丹十三さん、浅井慎平さん、宇野亜喜良さん、四谷シモンさん、鳥居ユキさん、山口小夜子さんなど、さまざまなクリエイターと出会い、交流を深めます。そして、表参道で毎週200人以上の参加者を集めた週末パーティを開催。彼女はいつしか「表参道のヤッコさん」と呼ばれる存在になります。

 1969年、ヤッコさんは、ニューヨークへスタイリスト修行に向かいます。大手広告代理店DDBでスタイリングの腕を磨きつつ、リチャード・アベドンやポール・デイヴィスなど、世界的に著名な写真家、イラストレーターと出会い、クリエイティブの本質について知見を深めます。当時アメリカを席巻していたフラワーレボリューションは、彼女のその後のライフスタイルに大きな影響を与えます。

 71年には単身ロンドンに乗り込み、資金ゼロ、コネなしにもかかわらず、山本寛斎氏のファッションショーを見事プロデュースし、大成功をおさめます。また、ロンドンポップとグラム・ロックの洗礼を受け、その渦中に飛び込み、デヴィッド・ボウイやT・レックスと写真家、鋤田正義さんとのフォトセッションをサポートするなど、ロックとファッションが融合した最先端カルチャーシーンの現場に立ち会います。

 その後、ヤッコさんは、資生堂、丸井など、さまざまな大手企業の広告・CMの制作に参加し、国内だけでなく、海外ロケまで、地球を駆けめぐる日々を送ります。そして、60歳を過ぎた今も現役のスタイリストとして活躍中。多くの業界関係者からもっとも信頼できるスタイリストの一人として高く評価されています。

 美しい日本語と立ち居振る舞い、そしてチャーミングな笑顔、健気で、一途で、純な本当に素敵な大人の女性です。私たちはこんな素晴らしい著者とめぐりあえた幸せを噛み締めています。シャイで震えるような繊細な感受性のアンテナを張り巡らせながら、全速力で駆け抜けるヤッコさんのリアルストーリーを一人でも多くの方に読んで欲しい、そう心から願っています。

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