カテゴリ  人生  経済  検索エンジン戦争

検索エンジン戦争

インターネットの覇権をめぐる興亡と争奪戦の物語

ジェフ・ ルート佐々木 俊尚

本体価格: 1500円+税


判型:四六
ページ数:256
初版年月日:2005/08/05
ISBN:4-7572-1166-X
ASIN:475721166X

 検索エンジンがわかれば、インターネットビジネスがわかる!本書は、検索エンジン業界の覇権、すなわちインターネットの主導権をめぐって、現在進行形で繰り広げられるグーグル、ヤフー、マイクロソフトの熾烈な戦いの様子を描きつつ、検索エンジンがインターネットビジネスに与える影響をわかりやすく解説したビジネス読み物です。

 インターネットの巨大な玄関口である検索エンジンの成長は今もなお、二つの方向で続いています。一つは、デスクトップ検索、商品検索、ニュース検索、社内ナレッジの検索などに見られる検索領域の拡大といった横軸方向への成長。そして二つ目は、ブログやRSSとの融合やウェブサービスへの取り組みなど、メディアとしての新たな性質の獲得といった縦軸方向への成長です。

 検索エンジンのこうした成長の様子を見るにつけ、これまでわれわれが漠然と抱いていた検索エンジンに対する定義を見直す時期にさしかかっているのではないかと思われてなりません。そんな検索エンジンとインターネットビジネスのこれからを知りたい人は、ぜひ本書をお読みいただきたいと思います。

 「検索エンジンはなぜ儲かるのか?」「儲かるWebビジネスとは?」「インターネット広告はどう活用すべきか?効果はあるのか?」様々な疑問が氷解します。本書のさらに詳しい内容は『目次を見る』ボタンをクリックしてご覧下さい。

目次

Table of contents

プロローグ——インターネットの支配権をめぐる戦争が始まった
第一章 先史時代の検索エンジン
 SEOとの戦いに明け暮れた黎明期
 SEOスパムのテクニック
 検索エンジンの逆襲
 検索エンジン同士の大戦争が勃発
第二章 検索エンジンと広告の物語
 バナー広告の崩壊
 検索エンジンマーケティングの登場
 グーグルとオーバーチュアの違い
 オーガニックな検索エンジンって?
 グーグルアドセンスの登場
 アドセンスをめぐる物語
 SEOとキーワード広告の関係は?
 SEO外史
 シンプルで美しく、見やすいウェブサイト
 SEOの新時代テクニック
 <コラム>キーワード広告の価格はこうなっている
 <コラム>インタビュー——SEOというお仕事
 <コラム>SEOエキスパートのある一日
 <コラム>僕はこうしてSEOを始めた——ジェフ・ルート
 <コラム>SEOの専門用語を知ろう
第三章 パックス・グーグル(グーグル王国の平和)
 検索エンジンは儲かる!
 グーグル、みずからを語る
 グーグルは人を幸せにするか?
 変質していくグーグル
 <コラム>ページランクを売った男
第四章 そして、乱世が幕を開けた
 ヤフーとグーグルの反目
 ヤフーの大変動が始まった
 ヤフーがオーバーチュアを買収
 マイクロソフトがついにやってきた!
 グーグルが買収される?
 マイクロソフト、恐怖の戦略
 ヤフー、グーグルとついに離婚
 グーグルのビジネス的大逆襲
 グーグルとヤフー、場外での戦い
 <コラム>ジェフとインクトゥミは道に迷って……
 <コラム>オーバーチュア買収の衝撃
 <コラム>アドウェアって何?
 <コラム>グーグルの流儀
 <コラム>グーグルらしい? IPOもオークション
第五章 ますます広がる検索エンジンの役割
 検索エンジンこそが、ウェブの中心地である
 デスクトップ検索の持つ意味
 商品検索——アマゾン・ドットコムとの全面戦争
 ニュース検索——全世界のマスコミが震撼
 ナレッジマネジメントとの融合
 ウェブサービスという可能性
 垂直的伸張って何だ?
 <コラム>フルテキスト検索は著作権侵害?
 <コラム>アマゾンよ、おまえもか——ここでもプライバシーの問題が発生
 <コラム>グーグルニュース日本語版の波紋
 <コラム>ロングテール——ニッチ製品の群れがメガヒットを追い抜く!?
最終章 パワー・トゥ・ザ・ピープル
 オープンソースの検索エンジン
あとがき

その他情報

Other Information

【著者紹介】
ジェフ・ルート
 ヒッピームーブメントが最高潮に達したサマー・オブ・ラブの1969年、ミシガン州デトロイトに生まれた。ミシガン州立大で心理学の学士号を取得。現在はECジャパン株式会社で、サーチマーケティング担当バイスプレジデントを務めている。日本には1991年に初来日し、現在は妻とともにニュージーランドのオークランドと東京を行ったり来たりする日々。

佐々木俊尚
 1961年、兵庫県生まれ。早稲田大政経学部中退。毎日新聞社で事件記者の日々を送ったのちに退社し、アスキーを経て2003年からフリージャーナリスト。主にIT分野を取材している。著書に『徹底追及 個人情報流出事件』(秀和システム)、『ヒルズな人たち』(小学館)、『ライブドア資本論』(日本評論社)など。

 検索エンジンの世界に、巨大な地殻変動が起きようとしている。それが長年にわたって検索エンジン業界を追ってきた、著者のジェフ・ルートと佐々木俊尚の強烈な実感だ。インターネットの世界に、いったい何が起きようとしているのか。いまや技術的にもビジネス的にも、インターネットの世界を覆い尽くそうとしている検索エンジンの動きを見れば、その実態はおのずと浮かび上がってくる。

 二人はここ4年間にわたって検索エンジン業界をウォッチし、その最新情報を連載記事のかたちで紹介してきた。二人が組んで最初に世の中に送り出した記事は、月刊アスキー2002年4月〜5月号に前後編で掲載された連載「戦う検索エンジン!」だった。この時の月刊アスキーの編集者が佐々木俊尚で、そしてコンテンツを担当したのが、もうひとりの著者であるジェフ・ルートだったのである。この連載は、SEO(検索エンジン最適化)というビジネスを本格的に紹介した日本で最初の記事だった。

 二人のタッグはその後、「あなたの知らない検索エンジン秘密」というアスキーのニュース媒体「ASCII24」の連載記事となった。連載が始まったのは、2002年7月24日である。そして翌年、佐々木俊尚がフリージャーナリストとして独立したのに伴い、2003年からはその舞台をインプレスのINTERNET watchに移した。連載記事の本数は、総計ですでに70本を超えている。この4年間、インターネットのトラフィックは大きく変わった。トラフィックを川の流れにたとえるとすれば、かつてのトラフィックは巨大な運河を中心に流れていた。つまりはヤフーやMSNのようなポータルサイト中心の流れだったのである。その水路の上ではもの凄い数の乗客を乗せた帆船が行き交い、そのまわりを少しこぶりの小舟や漁船が走り回っているという状況だった。

 ところがここに来て、状況は劇的に移り変わった。人工的な運河に抗するように、悠久の時間を流れる自然の大河が生まれてきたのだ。それが「検索エンジン」である。大きな本流はゆっくりと大地の中央を流れ、そしてそこから小さな支流が無数に枝分かれして、さまざまな町や村、中州、小島へと人びとをいざなっていく。大河の周囲には、はるか地平線にまで続く広大な平野がなだらかな丘を見せながら、起伏ゆたかに続いている。大河の豊富な水流がその平野を潤し、そして平野に人びとをいざなっていく。

 ポータルサイトに一方的に強制的に導かれるのではなく、自然な流れである検索エンジンが、人々をゆったりと求める場所へと誘っていく——検索エンジンによって、インターネットの世界はそんな風に変わりつつある。それはきわめて商業的な世界にからめとられていたインターネットの住民たちが、より自由で自律的な世界を取り戻していく道すじでもあるのかもしれない。

 いったいこのインターネット世界はどこに向かい、そしてその先には何が待ち受けているのだろうか。その方向性を、検索エンジンをめぐる興亡と争奪戦の物語を軸に、完全に解き明かそうというのが、この本の目的である。(佐々木俊尚)

「検索エンジンを知ると、IT業界が見えてくる」・・・週刊アスキー10月4日号「今週の一冊」(松谷創一郎氏)より一部を引用

 われわれが日々使っている検索エンジンについて知りたければ、この本を読めばいいだろう。本書は、グーグルを中心とした検索エンジンの歴史をひも解き、そのビジネス手法を明らかにしてくれる。

 本書で描出されるのは、グーグルが頭一つ抜け出す現在までの細かい流れだ。SEO(サーチエンジン最適化)において、ページランクというアイディアを持ち込み、キーワード広告でも他社を圧倒した。さらにグーグルアドセンス、グーグルニュース、Gメール、デスクトップ検索などなど、多角的な経営拡大を成功させてきた。

 この記述過程が興味深いのは、それがグーグル単体のビジネス解説だからではない。そうではなく、すでにネットの中心となったグーグルを軸に、将来も含めたIT業界全体の分析も解説されている。例えば、デスクトップ検索でのグーグルのライバルは、おもにマイクロソフトだ。ここでの覇権を握ることは、IT業界的には大きな動きとなる。このような点が比較検討されている。

 (中略)この本が信用できるのは、そんなグーグルのひとり勝ちを決して手放しで賞賛しない点にある。対抗馬としてのオープンソースによる検索エンジンの紹介も含め、健全な競争を日米ふたりの筆者は望んでいる。このような点を含め、本書は信頼できる検索エンジンのガイドになっている。

日経BP企画 「検索エンジン戦争 インターネットの覇権をめぐる興亡と争奪戦の物語」

 ヤフー、グーグル、MSNなど、検索エンジンの攻防を描いた本。中でも、グーグルが優れた精度やテキスト広告の提供で、ネット広告やWebマーケティングを“儲かるビジネス”に変え、ライバルの地位を脅かす存在に成長していく過程に焦点を当てている。同社の勝因として、高価なサーバーを使わずに大量の低価格パソコンを運用する分散システムで投資を抑えたことを紹介。著作権やプライバシの保護、表現の自由など、検索エンジンが直面する課題にも触れている。(日経コンピュータ 2005/08/22 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)

 著者は、現在ECジャパン(株)のサーチマーケティング バイスプレジデントとして活躍されているジェフ・ルートさんと、ITがわれわれの社会・生活・ビジネスに与える影響をテーマに独自取材を続け、大手メディアでも活躍中のジャーナリスト、佐々木俊尚さんのお二人です。

 両氏は「なぜ検索エンジンがインターネットビジネスの重要なポイントになっているのか?」あるいは「なぜ検索エンジンは儲かるのか?」といったみなさんの素朴な疑問に答えてくれるとともに、インターネットと検索エンジンがわれわれのビジネスやライフスタイルを今後どのように変えていくかといったことまで、技術に詳しくない方にもわかりやすく解説してくれます。

 さらに、今やインターネットビジネスに欠かせないSEO(検索エンジン最適化)についても、その成り立ちから、どんなことをやっているのか、そしてなぜ重要なのかといったことをビジネス的な観点から語られているので、インターネットマーケティングにご興味をお持ちの方にもおすすめです。(貝瀬)